酵素って何?

ダイエットの世界で数年前から人気が広まっているのが、酵素ドリンクの存在でしょう。飲むだけでスレンダーな理想的な体を作り出せると評判の飲み物ですが、そもそも、酵素とは一体どのような存在であるのかを知っておくと、信念を持ってダイエットに励みやすくなります。

酵素とは、タンパク質がミネラルの周囲にくっついた姿をしています。このミネラルの種類やタンパク質のくっつき方などが違ってくると、酵素の種類が変化します。違う酵素は体内でそれぞれの役割を持って健康的な体の維持のために働いています。

人の体にとって大切な栄養素は、炭水化物と脂肪、タンパク質です。必要なエネルギー源として多くの割合を占めていますが、この3つの栄養素だけでは健康維持ができないようになっています。代謝を効率よく行うためには、ビタミンとミネラルの働きが重要です。更に食物繊維も生命維持に大切な存在になっています。食物繊維は消化吸収されない成分だったため、栄養素として認められなかった時期がありますが、現在では必要な栄養素として認識されています。

これらの栄養素のうち、ビタミンとミネラルより、もっと大切な栄養素として知れ渡るようになったのが、酵素です。食べ物の消化や呼吸、体を動かすなど、これらの重要な働きを酵素が助けてくれます。酵素がなければ人は生きていけません。それほど重要な栄養素です。

最近ではビタミンとミネラルのことを、補酵素と呼ぶケースが増えています。サプリメントの世界でビタミンB2やビタミンCなどのビタミン、カリウムやマグネシウムなどのミネラルが大人気です。これを摂取していれば美容にも健康にも良いと頑張って摂取する人が大勢いるものの、ビタミンやミネラルは単独で摂取しても殆ど有力な効き目が得られないのが現実です。というのも、これらの栄養素の働きを活性化させるのは、酵素があってこそだからです。むしろ酵素の働きをサポートする存在ですので、補酵素の言葉が使われるように変化しています。
酵素にはたくさんの種類が存在し、現在わかっているもので約3000種です。まだまだ知られていない酵素が存在するともされているほど、非常に種類が豊富なのが特徴です。細かな種類はたくさんあるものの、それぞれは大きく3つに分類されます。消化酵素と代謝酵素、そして食物酵素です。

3つに分類されるうち、潜在酵素が代謝酵素と消化酵素が該当します。潜在酵素とは、人が体内に元々持っている酵素のことです。
代謝酵素は人が生きていくためには必要不可欠の存在です。細胞を再生したり、体が自然に悪い部分を治そうとする自然治癒力に関わってくる酵素です。また、病気の予防にも活躍する存在で、免疫力の向上に関与します。物事を考えたり、手足を動かす、心臓を動かして血液を循環させるなどの基本的な体の働きを作り出している力を持っていますので、代謝酵素が非常に重要な役割を持っていることが自ずとわかるでしょう。

消化酵素は、文字通りに摂取した食べ物の消化させる役割を持っています。食道を通って胃に入った食べ物は、胃や腸の内部の働きによってやわらかくしたり分解します。胃では胃液が分泌されて、食べ物をやわらかくする作用がありますが、この胃液に含まれているプロテアーゼは酵素であり、タンパク質を分解することができます。リパーゼは脂肪を脂肪酸に分解します。アミラーゼがデンプンをブドウ糖に分解します。これら3つの働きは、全て消化酵素が行っています。分解されたものは体に吸収されて、栄養を取り込んだり、エネルギーとして使われます。これも人が生きていくには非常に大切な仕組みになってきます。消化吸収されなければ、栄養が不足して体がやせ衰え、最悪の場合には死亡するからです。

3つ目の食物酵素ですが、潜在酵素ではありません。人の体の中では作られない酵素ですから、外側から取り入れなければなりません。食べ物に食物酵素が含まれていますので、それらを摂取すれば良いだけです。食物酵素が持っている働きは、食べ物の消化を助けるというものです。消化酵素と似ていますが、消化酵素の働きを手助けしてくれる存在だと考えればちょうどよいでしょう。食物酵素が含まれている食べ物には色々種類がありますが、加熱されていないものと、発酵食品に豊富に含まれているのが特徴です。生野菜や果物の他、生肉や生魚などが該当します。発酵食品では身近な味噌や納豆、ぬか漬けなどの食べ物です。これらを積極的に摂取することで、消化の効率を高めることができるでしょう。

食物酵素の部分で、加熱されていない食べ物という条件がありますが、これは酵素にとって天敵ともいえることでもあります。酵素は熱にとても弱いのが特徴です。タンパク質で構成されている栄養素ですので、熱を加えるとタンパク質が変質してしまい、本来の酵素の役割が果たせなくなります。酵素の形が維持される熱は、50度くらいまでとされています。

 

ダイエットに酵素は重要その効果とは?

ダイエット効果を高めるには消化酵素の消費を抑えながら、代謝酵素を増やすのがポイントです。酵素ドリンクは発酵食品ですので、食物酵素を効率よく取り入れることができます。
代謝酵素と消化酵素は体の内部で自然に作られるものですが、実は体の内部で作られる酵素の量は最初から決まっています。一生のうちで生産される酵素には限界がありますので、無駄に使いすぎてしまうと途中で使い果たして、長生きできない状態になってしまいます。生産される酵素は代謝酵素と消化酵素に割り振られる仕組みになっています。両者を比べると、代謝酵素のほうが生命維持のためには比重が高いため、酵素がたくさん消費されようとしたときには代謝酵素の減少を抑えるために、消化酵素の減少割合を多くする傾向があります。そうしなければ、病気になったり、ガンを発症しやすい体になるからです。生命の危険に陥れば、ダイエットどころではなくなってしまいます。

しかし、消化酵素が減りすぎてしまうと、食べ物に含まれているタンパク質やデンプン、脂肪などの消化吸収が上手くできなくなります。消化酵素を全く無い状態にはできませんから、酵素がたくさん消費されそうなときでも消化酵素の減少を抑えるようにすることで、代謝酵素の量も安定し、燃焼効率の良い体を作ることが大切です。代謝が良いと太りにくい体になりますから、結果的に同じものを食べても以前よりもダイエット効果が高まるようになるでしょう。

ここでポイントになってくるのが、酵素ドリンクで摂取できる食物酵素です。食物酵素は消化酵素と似たような働きを持っており、消化酵素を助ける役割があります。つまり、食物酵素をたっぷりと補給してあげることで、消化酵素が無駄に消費されるのを防いで、結果的に代謝酵素が減ってしまうことから守ります。消化酵素があればあまり必要がないとされる食物酵素ですが、連動した働きを知れば、不要な酵素ではないことがわかるでしょう。体内では作られない酵素ですので、酵素ドリンクを利用して、毎日のようにしっかりと取り込んであげることが重要です。
酵素ドリンクの良さは、生の野菜や果物を発酵させた食品であることです。生肉や生魚を大量に摂取するのは現実的ではなく、かといって生の野菜や果物をたくさん摂取するのも一苦労です。食物酵素をたくさん持つ発酵食品に加工して、凝縮したものをドリンクとして販売していますから、とても効率的に食物酵素を摂取できます。

しかし、酵素ドリンクをそのまま飲んだだけではダイエット効果が得られるまで道のりが険しいため、基本的にファスティングの仕組みで、酵素ドリンクがダイエットに活用されている状態です。単なる食事制限ダイエットにしか見えませんが、実はファスティングは消化酵素を助ける魅力を持っています。

消化酵素は摂取した食べ物の消化吸収を行うための酵素ですので、このときに盛んに消費されるわけですが、ファスティングという断食を行うことで、食べ物の消化吸収の働きが抑えられ、結果的に消化酵素の消費を極端に抑えることが可能です。酵素の減少が弱くなりますから、代謝酵素は普段通りに働かせることができます。

ファスティングダイエットでは、酵素ドリンクを普段の食事に置き換えるのが一般的です。完全に断食をするわけではないため、ストレス無く続けられるのがメリットです。酵素ドリンクを飲むとそのドリンクを消化吸収するために体内で消化酵素が働きますが、元々カロリーの低い食品ですし、何よりも食物酵素がたくさん含まれています。消化吸収に負担がかかる脂肪分などを含みませんから、消化酵素をほとんど使う必要がありません。なおかつ食物酵素が大きくサポートしてくれますので、安心です。

代謝酵素が普段通りに働くことによって、体内の余分な脂肪がエネルギーとして使われるために燃焼し、徐々に脂肪が落ちていきます。その結果、体が少しずつスリムに変化して、ダイエットに成功するという効果がもたらされます。

基本的に生野菜や果物、発酵食品などが豊富に手に入り、それを消化しやすい状態に調理して食べていれば、酵素ドリンクを無理に利用する必要はありませんが、忙しい生活を送っている現代人がこれを実現するのはほぼ不可能です。栄養素が失われていない良質な生野菜や果物を仕入れるのも非常に難しいでしょう。

ネット通販などで入手できるやや高価な酵素ドリンクは、安価な商品よりも原材料にこだわりぬいて製造していますので、非常に良質な食物酵素を取り入れることができます。調理する手間がいりませんし、やるとしても他の飲み物で割るくらいで作業が終わります。

ファスティングダイエットを行うことで、酵素減少を抑えつつダイエット効果を高められますが、無理は禁物です。摂取カロリーが極端に少ないと、健康に支障をきたしてしまいますので、体調を見ながら無理のないペースで行いましょう。