老化は太っていることが原因の可能性

50代は、体の変化が著しく目立ってくる年代です。肌のハリと透明感が失われてシミやシワが増えてきて、髪にコシがなくなってきてボリュームダウンすることもあるので、少しずつ老いを感じるようになります。

しかし、このような老化現象は、外見だけに限ったことではありません。体の機能も徐々に衰えてくるため、自分では気が付かない部分も若い頃とは違っています。50代前後になるとホルモンのバランスが崩れてきて、心身に色々な変化をもたらします。俗にいう更年期の事ですが、これは女性だけに限った話ではなく男性にも当てはまります。

ホルモンは肥満に深く関わっていて、食欲を調整するレプチンや空腹を知らせるグレリンといったホルモンが分泌されています。これらのバランスが崩れてしまうと、満腹感がなくて食べ過ぎてしまったり、お腹が空いて堪えられなくなることが多くなるので、その結果として太りやすい体質やダイエットの挫折を招いてしまうのです。

これらのホルモンは年齢だけでなく、睡眠やストレス、生活習慣とも密接に関わっています。睡眠時間が少ないとホルモンバランスが乱れやすくなり、レプチンが減ってグレリンが増えてしまうので、食べ過ぎ体質になると報告されています。睡眠時間が減り眠りが浅くなってくるのも老化現象であり、自然と過食しやすい状態になっています。食べ物をよく噛むと唾液が分泌されて満腹中枢が刺激されるので、食事に時間をかけることも食べ過ぎ防止に繋がります。

中年太りというとぽっこり突き出たお腹が特徴的で、ウエスト周りを中心に背中や二の腕などに脂肪が付いてくるため姿勢が悪くなり、動きが鈍くなってしまいます。10代や20代とは脂肪の付き方が違うので年老いた印象を与えてしまい、お腹周りに付いた脂肪のせいで、歩いたり座ったりする日常的な動作が大変になることも珍しくありません。そのまま放置してしまうと、筋力の低下と垂れ下がった脂肪の影響でますます動きにくくなり、生活習慣病のリスクが高まるため、増え過ぎた脂肪を減らすことは健康的な生活を続ける上でも重要です。

だからといって急にランニングをしたり筋トレに励んだりするのは、体に無理を強いることになります。運動量は年齢と共に少なくなりますが、体調の変化を理由に運動量が減っているケースもあります。前日の疲れが翌朝まで残っていたり、体が疲れやすくなっていたりすると激しい運動は難しくなるので、その時々の体調に合わせながらダイエットを始めてみましょう。

 

運動と適切な食事で健康とスタイルをキープ

年齢を重ねてくると、食事量が増えていないのにも関わらず太ってしまうことがあります。もともと脂肪は不足したエネルギーを補う目的で蓄積しています。しかし、中年になって筋肉が落ちてきて運動機能が低下してくると、消費エネルギーが減ってしまうため、ため込んだ脂肪は消費されることなく増加していくので太ってしまうのです。

若い頃は階段を駆け上がり長距離を走ったとしても、回復力が早いので運動がそれほど苦にならないのですが、中年以降は少し動いただけでも息切れするようになり、疲れがなかなか抜けなくなるので、体を動かすことが億劫になってしまいます。こうして運動量が少なくなってくると、次第に筋肉が落ちてきて基礎代謝の低下に繋がります。

ダイエットを効果的に実行するには、基礎代謝を上げることが大事だと言われています。基礎代謝とは、毎日自動的に消費されていくエネルギーのことです。体温を維持する、呼吸をして酸素を取り込む、食べ物を消化して必要な栄養を取り込むというように、体の機能を動かすにはエネルギーが必要になります。

ところが、中年になって運動量が少なくなって基礎代謝が落ちてくると、摂取した栄養よりも消費する栄養が少ないので脂肪がどんどん蓄えられていきます。摂取カロリーを減らせば良いのでは?と思うかもしれませんが、食事を制限して急激にカロリーを減らすと、体が危機を感じて消費エネルギーを抑えてしまうので、ますます痩せにくい体質になってしまいます。

ですから、50代のダイエットで若い頃のような食事制限をすると、十分な効果が出ないことがあります。食事制限で栄養が偏ってしまうと体の機能は勿論、肌や髪など外見にも影響を及ぼしてしまうため、「痩せて綺麗になるはずだったのに、何故か老けてしまった」ということになり兼ねません。食事制限を止めて元に戻すと、リバウンドする可能性が高くなるので、体が辛くなるような極端なダイエット方法は避けるようにしましょう。

中年太りから脱却するには、まずは食事内容を見直しから始めます。栄養をバランス良く摂取できるメニュー作りをして、ごはんやパン、麺類といった炭水化物やお菓子などの糖質、油をたっぷり含んだ料理は控えるようにします。体を作る材料になるタンパク質や機能維持に欠かせないビタミン、ミネラルを摂るようにして、痩せやすい体質へと変えていきましょう。それと同時に無理のない範囲で体を動かすことも大切です。景色を楽しみながら運動できるウォーキングや体に対する負荷を減らせる水泳などの有酸素運動をダイエットに取り入れてみましょう。

 

続けられる運動こそが健康維持の秘訣

評判になっているダイエット方法だとしても、50代の体にとっては負担が大きくなる場合も考えられるので、体重を減らすことを重視するよりも、健康を考えながら脂肪を減らしていく方法が向いています。

食事を抜いてしまう方法や、同じ物ばかり食べ続けるやり方は、中年以降の体には合っていません。野菜やタンパク質をメインに色々な食材を選んで献立を作り、たくさんの栄養を摂取して体の機能を安定させながら、代謝の向上を目指しましょう。カロリー控えめの調味量や油脂の少ない食品を使うと、1日のカロリーを抑えられてストレスなくダイエットが続けられます。

太ると言われている炭水化物を控えることも、ダイエット方法の一つです。カロリーを減らすことばかりに気を取られていると、ノーマークだった糖質の摂取量が増えてきて、結局体重が増えてしまったというケースは少なくありません。スイーツやフルーツだけに限らず、主食となる米やパン、麺類は糖質が高い食品なので、食べる量を控えたり、糖質が低い豆腐やこんにゃくなどを主食に混ぜたりして、糖質を減らしてみてはいかがでしょうか。

ただ、糖質は体にとって必要な栄養なので、全く摂取しないのは問題です。血糖値が低くなりすぎると、頭がぼーっとして眠気が取れない、イライラするといった症状が出ることがあるため、糖質を食べないダイエットは止めておきましょう。

仕事終わりに飲むお酒が最高だという人も、要注意です。お酒自体はカロリーがそれほど高い訳ではありませんが、気を付けたいのはおつまみです。唐揚げやナッツ、シメのラーメンなど、ついカロリーを気にせずに食べてしまいます。健康のためにもアルコールを控えることが理想ですが、サラダや漬物といった低カロリーのおつまみを選ぶようにして、お酒による中年太りを阻止しましょう。

50代はエネルギーを蓄積する体質へと変化していくので、若い頃と同じような生活習慣を続けているとどうしても太りやすい体質になります。ただ、極端なダイエットは老化を促進させてしまい健康を損なうこともあるため、食べ物の種類を変えて食べる量を減らすことで中年太り対策を立てましょう。

痩せることだけを目的にしていると、空腹感やストレスでイライラが募ることが多々あるため、中年太りには健康であることを重視したダイエット方法が最適です。健康を第一に考えたダイエットはリバウンドする可能性も低くなるので、痩せ体質を作るのにも良い方法です。

 

50代ならではのダイエットドリンクとは?